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上下水道事業の経営改善を阻む特徴7つ

コラム 2026.01.23

上下水道事業の経営改善は、とても難易度が高いものです。
なぜなら、そもそも事業の特徴として経営改善を阻む要因が多すぎるためです。その特徴を7つにまとめてご紹介します。

①強い公共性・公益性

上下水道事業は、ライフラインであるが故に生活環境の保全と公衆衛生の確保が目的であって、利益が目的ではありません。
安定的・継続的なサービスの提供が最も重要です。
公共料金のため、簡単に値上げできないけれども、コストをむやみに削ってライフラインが止まってしまうことは許されません。

②典型的な装置産業であること

サービス業や農業と違い、人ありきではなく装置ありきの事業です。
初期投資が極めて大きく、回収すべき減価償却費と維持管理費用が巨額になってしまいます。
とはいえ、利用者が減っても安定稼働するようにし続けなければなりません。

③需要の弾力性が低い

その地域に生活する利用者がいる以上、提供し続ける必要があるのがライフラインというものです。
利用者はその地域の上下水道以外を選択する余地はありません。
キャパシティが一定のため、需要が増えて足りなくなるのも困りますし、節水や利用者減少で収入が減っても困ります。
それでも足りなくなるよりは…と大きめな施設を維持し続け、無駄なコストを抱えがちです。

④独立採算制が原則だが、料金収入だけでは持続可能性は確保できない

水道事業では、老朽化対策にかかる更新投資費用は料金収入では賄えず、補助金や交付金に頼らざるを得ません。
下水道事業においては、通常の事業運営費用すらも一般会計から補填してもらわないと立ち行かないことがほとんどです。
一般会計や補助金・交付金を基準とした予算計画しか立てられないジレンマがあります。

⑤減価償却費が経営を左右する

施設規模が大きく、耐用年数が長いことから、巨額な減価償却費を長年引きずり、毎年の予算決算で減価償却費による赤字に苦慮しています。
ただ、減価償却費はコストとして計上はしますが、現金支出を伴いません。
ゆえに赤字でも現金は残るため、経営を意識していない職員や利用者からは、赤字でも現金は残っているので問題ないのでは、と誤解をされてしまいがちです。
料金の値上げには住民の理解が不可欠な中、このような誤解を生みやすい構造は経営への大きなデメリットです。

⑥更新需要の先送りが難しい

装置には耐用年数というものが存在し、日々の維持管理も重要です。
更新の必要性を放置してしまうと、事故や環境汚染に直結してしまいます。
さらに、将来の世代で負担が急増する可能性もあります。
国からの補助金をもらっている以上、中長期の持続可能性についても無視することはできず、収入があげられないからといって、コストを節約することができません。

⑦人口減少・少子高齢化の影響を強く受ける

利用者が減ったり、利用者の高齢化で使用水量自体が減ることにより、全国的に使用料収入は減少傾向にあります。
とはいえ、むやみなコスト削減はできません。
国からの改善対策として、施設の統廃合・広域化・共同化が提案されていますが、住民理解への労力や条例改定等の手続きなど、大変な手間がかかり、簡単ではありません。

上下水道事業では、これらの特性を踏まえて経営改善を考えないといけません。
局所的・短期的な改善ではなく、実現可能且つ有効な改善をしていくためには、専門の知識と経験が不可欠です。

対策を知りたい方は、ぜひフリーフライトにご相談ください。

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